病気・症状について

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に続き、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です。

病気や症状の概要

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に続き、良くなったり悪くなったりを繰り返す皮膚の病気です。日本皮膚科学会・日本アレルギー学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」では、アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、多くの患者さんにアトピー素因があると定義されています。アトピー素因とは、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎の家族歴・既往歴、またはIgE抗体を産生しやすい素因を指します。ただし、アレルギー検査だけで診断する病気ではなく、皮疹の特徴、分布、慢性・反復性の経過をもとに診断します。治療の基本は、スキンケア、炎症を抑える外用療法、悪化因子への対応であり、重症度に応じて内服薬、注射薬、光線療法などを検討します。

主な症状

主な症状は強いかゆみと湿疹です。赤み、ぶつぶつ、じくじく、かさかさ、皮むけ、ひっかき傷、皮膚が厚く硬くなる変化などがみられます。乳児では顔や頭、体に出やすく、幼児期以降は首、肘や膝の内側、手足、体幹などに左右対称に出ることが多くなります。かゆみにより睡眠が妨げられ、日中の集中力低下や生活の質の低下につながることがあります。掻き壊しにより細菌やウイルス感染を合併すると、黄色いかさぶた、膿、痛み、水ぶくれ、発熱などが出ることがあります。目の周りの皮疹を強くこすることで眼合併症に注意が必要な場合もあります。症状は季節、汗、乾燥、ストレス、衣類刺激、感染、スキンケア不足などで変動します。症状が軽く見えても、かゆみや睡眠障害が強い場合は治療の見直しが必要です。

原因や背景

アトピー性皮膚炎の背景には、皮膚のバリア機能低下、免疫反応の偏り、かゆみを起こしやすい神経の変化、環境因子などが関係します。皮膚のバリア機能が低下すると、乾燥しやすく、刺激物やアレルゲンが入りやすくなり、炎症が起こりやすくなります。汗、乾燥、ほこり、ダニ、花粉、石けんや洗剤、衣類の摩擦、細菌感染、ストレスなどが悪化因子になることがあります。食物アレルギーが関係する場合もありますが、すべてのアトピー性皮膚炎が食物で起こるわけではありません。根拠なく食品制限を行うと栄養障害につながる可能性があるため、医師の評価なしに過度な除去食を行うことは避けます。治療では、保湿剤によるスキンケア、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などによる炎症コントロールを基本とし、重症例では生物学的製剤やJAK阻害薬など専門的治療を検討します。

受診の目安

かゆみのある湿疹が長引く、良くなったり悪くなったりを繰り返す、市販薬で改善しない、睡眠が妨げられる、掻き壊しが多い場合は受診してください。赤みやじくじくが広がる、膿や黄色いかさぶたが出る、痛みや発熱を伴う場合は感染を合併している可能性があります。顔や目の周りの症状が強い場合、乳幼児で湿疹が広範囲にある場合、学校や仕事に支障がある場合も相談が必要です。外用薬への不安から十分量を使えず悪化している方も少なくありません。薬の強さ、塗る量、塗る期間、保湿の方法を医師と確認することで、症状を安定させやすくなります。自己判断で治療を中断せず、症状が落ち着いた後も再燃予防を含めた継続的な管理を行いましょう。

参考文献

  • 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
  • 日本皮膚科学会「一般公開ガイドライン」
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