病気や症状の概要
脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰にたまった状態です。近年は国際的な疾患概念の見直しにより、脂肪肝を含む大きな枠組みとして「脂肪性肝疾患(SLD)」、そのうち肥満・糖尿病・脂質異常症・高血圧などの代謝異常を背景に起こるものを「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」と呼ぶ考え方が用いられています。日本消化器病学会と日本肝臓学会も、2024年にMASLD、MASHなどの日本語病名を公表しています。
脂肪肝は「肝臓に脂肪がついているだけ」と軽く考えられがちですが、一部では肝臓に炎症や線維化が進み、脂肪肝炎、肝硬変、肝がんへ進行することがあります。また、脂肪肝は肝臓だけの病気ではなく、糖尿病、脂質異常症、高血圧、心血管疾患とも関連するため、全身の生活習慣病として評価することが重要です。NAFLD/NASH診療ガイドライン2020では、肝線維化の進行例や心血管リスクを拾い上げることの重要性が示されています。
主な症状
脂肪肝は、多くの場合、自覚症状がほとんどありません。健康診断や人間ドックで、AST、ALT、γ-GTPなどの肝機能異常を指摘されたり、腹部超音波検査で「脂肪肝」と言われたりして見つかることが一般的です。症状がある場合でも、体がだるい、疲れやすい、右上腹部の違和感、腹部膨満感など非特異的な症状にとどまることが多く、症状だけで重症度を判断することはできません。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、肝硬変に近づくまで強い症状が出ないことがあります。進行すると、むくみ、腹水、黄疸、食道静脈瘤、血小板低下などを伴うことがありますが、この段階では専門的な管理が必要です。したがって、症状の有無ではなく、血液検査、画像検査、線維化評価を組み合わせて確認することが大切です。患者向けガイドでも、脂肪肝はアルコール性だけでなく、飲酒が少ない方にも起こり、進行する場合があると説明されています。
原因や背景
脂肪肝の原因には、肥満、内臓脂肪の増加、糖尿病、脂質異常症、高血圧、運動不足、過剰なエネルギー摂取、飲酒などがあります。飲酒量が多い場合はアルコール関連肝疾患として評価しますが、飲酒が少ない方でも、代謝異常を背景に脂肪肝を発症します。2026年に公表された日本消化器病学会の診断基準に関する情報では、MASLD診療ガイドラインに先立ち、国際基準に準拠した脂肪性肝疾患の診断基準が示されています。
脂肪肝の診療で重要なのは、単に肝機能の数値を見るだけでなく、肝臓の線維化が進んでいないかを評価することです。線維化が進んだ方では、肝硬変や肝がんのリスクが高くなります。外来では、血液検査、腹部超音波検査、FIB-4 indexなどの線維化指標、必要に応じて肝硬度測定や専門医紹介を検討します。治療の基本は、体重管理、食事内容の見直し、運動習慣の改善、節酒または禁酒、糖尿病・脂質異常症・高血圧の管理です。急激な減量ではなく、継続可能な生活改善を行うことが重要です。
受診の目安
脂肪肝の原因には、肥満、内臓脂肪の増加、糖尿病、脂質異常症、高血圧、運動不足、過剰なエネルギー摂取、飲酒などがあります。飲酒量が多い場合はアルコール関連肝疾患として評価しますが、飲酒が少ない方でも、代謝異常を背景に脂肪肝を発症します。2026年に公表された日本消化器病学会の診断基準に関する情報では、MASLD診療ガイドラインに先立ち、国際基準に準拠した脂肪性肝疾患の診断基準が示されています。
脂肪肝の診療で重要なのは、単に肝機能の数値を見るだけでなく、肝臓の線維化が進んでいないかを評価することです。線維化が進んだ方では、肝硬変や肝がんのリスクが高くなります。外来では、血液検査、腹部超音波検査、FIB-4 indexなどの線維化指標、必要に応じて肝硬度測定や専門医紹介を検討します。治療の基本は、体重管理、食事内容の見直し、運動習慣の改善、節酒または禁酒、糖尿病・脂質異常症・高血圧の管理です。急激な減量ではなく、継続可能な生活改善を行うことが重要です。
参考文献
- 日本消化器病学会・日本肝臓学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン2020(改訂第2版)」
- 日本消化器病学会「脂肪性肝疾患の日本語病名に関して」
- 日本消化器病学会「脂肪性肝疾患の診断基準に関して」
- 日本消化器病学会・日本肝臓学会「患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023」
