病気や症状の概要
高尿酸血症は、血液中の尿酸値が高い状態です。
尿酸は、体内の細胞や食品に含まれるプリン体が分解されてできる物質で、通常は尿などから排泄されます。
尿酸が過剰に作られる、または腎臓からの排泄が低下すると、血液中の尿酸値が上昇します。
高尿酸血症そのものは自覚症状がないことが多い一方、尿酸が結晶となって関節に沈着すると、突然の強い関節炎である痛風発作を起こします。
さらに、尿酸値が高い状態が続くと、痛風結節、尿路結石、腎障害などに関係します。
日本痛風・尿酸核酸学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」および2022年追補版では、尿酸値だけでなく、痛風発作の有無、腎障害、尿路結石、生活習慣病の合併などを踏まえて治療方針を考えることが示されています。
主な症状
高尿酸血症だけでは症状がないことが多く、健診の血液検査で尿酸値の上昇を指摘されて分かります。
痛風発作では、足の親指の付け根、足首、膝、手指などの関節が突然赤く腫れ、強い痛みと熱感を伴います。
発作は夜間や早朝に始まることがあり、歩くことが難しいほど痛むこともあります。
多くは数日から1〜2週間で軽快しますが、治療せずに放置すると発作を繰り返し、複数の関節に起こることがあります。
長期間尿酸値が高い状態が続くと、耳介や関節周囲に痛風結節ができることがあります。
また、尿路結石による背中やわき腹の痛み、血尿、腎機能低下として見つかる場合もあります。
症状がない時期にも病気が進行することがある点が重要です。
原因や背景
高尿酸血症の背景には、体質、肥満、飲酒、食生活、腎機能低下、薬剤などがあります。
尿酸値は、尿酸が多く作られる場合、腎臓から排泄されにくい場合、その両方が重なる場合に上昇します。
アルコール、特にビールだけでなく、アルコール全般は尿酸値を上げる要因になります。
果糖を多く含む清涼飲料、過剰なエネルギー摂取、肥満も関係します。
意外かもしれませんが、干物や納豆の食べすぎでも尿酸値が上昇します。
一方で、極端な食事制限や急激な減量は尿酸値や痛風発作に影響することがあるため、無理のない生活改善が大切です。
高尿酸血症は、高血圧、脂質異常症、糖尿病、慢性腎臓病などと合併しやすく、生活習慣病全体の管理が必要です。
利尿薬など一部の薬剤が尿酸値に影響する場合もあるため、服薬内容の確認も重要です。
受診の目安
健診で尿酸値が高いと言われた場合、関節が急に赤く腫れて強く痛む場合、痛風発作を繰り返す場合は受診してください。
尿路結石を起こしたことがある方、腎機能低下を指摘された方、高血圧、糖尿病、脂質異常症などを合併している方も、尿酸値を含めた評価が必要です。
痛風発作時には、自己判断で尿酸降下薬を開始・中止すると発作が長引いたり悪化したりすることがあるため、医師の指示に従うことが大切です。
発作時は炎症と痛みを抑える治療を行い、発作が落ち着いた後に尿酸値を下げる治療の必要性を検討します。
治療は、生活習慣の見直し、合併症の管理、必要に応じた薬物療法を組み合わせて行います。
参考文献
- 日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版」
- 日本痛風・尿酸核酸学会「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版 2022年追補版」
